家庭医外来
家庭医は地域のかかりつけ医であり、患者さんの人生の伴走者の一人という役割を担う医師です。患者さん一人一人に、その人の歩んできた人生の物語があり、家族というバックグラウンドがあります。「家庭医」はそうした患者さんの背景を尊重しながら、病気だけではなく、その人自身を診ていく専門科になります。
40代くらいになりますと、職場の健康診断で、異常値を認める機会が増えてくると思います。そのまま放置せずに、まずは当院の家庭医外来に対応方法をご相談ください。当院の特長としては、クリニックでありながら、多くの診療科や検査機器(MRIなど)を擁しており、大抵の健康問題に対応できます。
また、薬物療法だけでなく運動・リハビリテーション治療にも対応できる点、管理栄養士や公認心理師がおり栄養指導やカウンセリング・心理療法が受けられる点、オンライン診療にも対応できる点も特長です。もちろん、病状によっては精密検査や高度な治療が可能な病院へご紹介し、治療終了後の経過観察や投薬継続に対応致します。
家庭医外来は、日本プライマリケア連合学会家庭医療専門医・指導医の岡崎寛子医師を中心に、老年内科、呼吸器内科、疼痛緩和内科、脳神経内科の内科医師で対応します。管理栄養士がおりますので生活習慣病の食事のコントロールが必要な方は栄養相談を受けることをお勧めいたします。他院で治療中の方も栄養相談のみ受けることができます。公認心理師がおりますので不安、うつ、家庭の問題、職場の問題などでカウンセリング・心理療法をご希望される方もご相談頂けます。
当クリニックの栄養相談やカウンセリング・心理療法は、初回以外はオンラインのビデオ通話形式で承ることが可能です。
こんな症状がある方は受診をおすすめします
小児期から高齢期まで、不調のある方は是非お気軽にご相談ください。
対象となる疾患
- あらゆる不調(どの科に受診するか迷っている方)
- 生活習慣病・慢性疾患(糖尿病・高血圧・脂質異常症・痛風など)
- 呼吸器疾患(慢性閉塞性肺疾患、気管支喘息、間質性肺炎など)
- 精神疾患(うつ病、不安障害、心身症など)
- 外科疾患・緩和ケア(がん)
- 健康診断・健康相談
- 予防接種
- メディカルチェック・運動処方
- MRIドック
- 脳神経疾患→当院の脳神経内科に、脳神経外科と相談し対応
- 整形外科疾患→当院の整形外科と相談し対応
地域連携栄養指導(オンライン可)のご依頼について
当院では患者さんの食生活習慣改善のサポートをするために、医療連携の一環として かかりつけ医の先生方からのご依頼を受けて栄養指導を提供する取り組みを始めました。 お気軽にご利用ください。
対象となる疾患
消化器
- 胃・十二指腸潰瘍
- 食道胃腸の切除術後
循環器
- 心臓疾患(食塩6g/日未満)
- 高血圧症(食塩6g/日未満の指示がある場合)
腎臓
- 急性・慢性腎炎
- 急性・慢性腎不全
代謝
- 高度肥満症(BMI≧35)
- 脂質異常症(LDL-cho:≧140mg/dL HDL-cho:<40mg/dL TG:≧150mg/dLのうちいずれか)
- 痛風
- 糖尿病
貧血
- 鉄欠乏性貧血(ヘモグロビン:≦10g/dL)
妊娠
- 妊娠高血圧症候群(食塩6g/日未満)
その他
- がん患者
- 摂食機能又は嚥下機能が低下した患者
- 低栄養状態にある患者
申し込み方法
ふくろうクリニック自由が丘にご予約のお電話(03-3701-3351)をいただき、栄養指導の実施日を決めていただきます。栄養指導日が確定しましたら「診療情報提供書(兼 地域連携栄養指導依頼書)」をダウンロードして、必要事項をご記入の上FAX(03-3705-8100)してください。なお栄養指導の結果は、1週間以内にFAXでご報告いたします。
PDF診療情報提供書(兼地域連携栄養指導依頼書)ダウンロード当日の流れ
栄養指導の前に、当日の外来担当医師の診察があります
- 実施日:毎週水曜日
- 9:00~12:00 14:00~17:00
- 1回30分程度
栄養指導にかかる費用(窓口でお支払いいただく金額)
| 項目 | 内容 | 1割負担 | 3割負担 |
|---|---|---|---|
| 初回 | 初診料 外来栄養食事指導料 |
550円 | 1,650円 |
| 継続 指導 |
外来栄養食事指導料のみ | 200円 | 600円 |
| 外来栄養食事指導料のみ (オンライン) |
180円 | 540円 | |
| 再診料 外来栄養食事指導料 |
330円 | 990円 |
※診療の内容により、追加の費用が発生することがあります
当日患者さんに持参していただくもの
- 「診療情報提供書(兼 地域連携栄養指導依頼書)」と血液検査データ(お持ちの方)
- 健康保険証
- お薬手帳
ロコモ・フレイル外来
随時受付けております。予約可能日はお問合せください。
健康長寿の妨げになる危険性の高いものとしてロコモとフレイル(虚弱)が注目されています。ロコモティブシンドロームとは、英語で移動することを表すlocomotion、移動するための能力があることを表すlocomotiveからつくった言葉で、ロコモとはその略称です。人間が立つ、歩く、作業するといった、広い意味での運動のために必要な身体の仕組み全体を運動器といいます。運動器は骨・関節・筋肉・神経などで成り立っていますが、これらの障害によって立ったり歩いたりするための身体能力:移動機能が低下した状態が、ロコモです。
ロコモが進行すると、将来介護が必要になるリスクが高くなります。フレイルとは「健康」と「要介護状態」の中間の状態で、要介護に陥りやすい状態です。やせ・体重減少、疲れやすい、歩行速度が遅くなった、握力が低下した、活動量が低下したという5項目に注目することが大切であることがわかりました。
当クリニックでは早期にロコモ・フレイル予防するための専門外来を開設いたしました。身体機能や運動器を検査し、「ロコモ」「フレイル」の原因となる変形性関節症、骨粗鬆症、サルコペニア、低栄養、筋力低下、活動量低下、めまい・ふらつき、不安・うつなどを明らかにして要介護に陥らない対策を立てるための外来です。医師の問診、レントゲン検査、MRI検査、高精度体組成測定などの検査を行い、運動・栄養の専門スタッフが継続的にチェックいたします。
フレイルチェックご利用の流れ
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1.ご予約
インターネット・お電話でのご予約をお願いいたします。
- 2.受付
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3.診察(1回目)
フレイル外来にて問診を行います。
・血液検査、レントゲン(背中・腰)を行います
・高精度体組成測定を行います(筋肉・脂肪・水分量の測定) -
4.検査(2回目)
フレイルの原因となる筋力チェックと低栄養チェックを行います。
(※栄養チェックは1日のお食事をスマートフォンで撮影していただくとスムーズです) - 5.認知機能検査(75歳以上)※必要時
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6.お会計・次回ご予約
検査お疲れ様でした。
再フレイルチェックは3か月後のご予約になります。
当院では予防プログラムを各種ご用意しています。
注意事項
体組成を測定する際に、靴下を脱ぐ必要があります。
こんな症状がある方は受診をおすすめします
- 体力低下が心配な方や認知症予防に興味がある方へ
- 手術の前に、体力が落ちていないか確認したい方へ
- ロコチェック・フレイル簡易チェックリストに該当する方
- 立ち上がりテスト・開眼片脚立ちテストに該当する方
- めまい・ふらつきがある方
- 転倒した方
- 歩くと息切れがして歩ける距離が短くなった方
- 歩くと腰や太ももが痛くなり歩ける距離が短くなった方
- 足のトラブルがある方
「ロコモ」とは運動器(関節・骨・筋肉・神経)の変化により移動能力が低下した状態です。「フレイル」とは、心身のさまざまな機能が加齢によって低下、食欲や活動量も低下して虚弱になっていき、放っておくと介護が必要になる状態です。ロコチェックやフレイル簡易チェックリストで1つでも気になることがある方、立ち上がりテストや開眼片脚立ちテストでふらついた方は、受診をお勧めしています。
ロコチェック
- 片脚立ちで靴下がはけない
- 家の中でつまずいたりすべったりする
- 階段を上がるのに手すりが必要である
- 家のやや重い仕事が困難である(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)
- 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である(1リットルの牛乳パック2個程度)
- 15分くらい続けて歩くことができない
- 横断歩道を青信号で渡りきれない
立ち上がりテスト
- 40cmの高さの椅子から片脚で立ち上がった際にふらついてしまう。
開眼片脚立ちテスト
- 目を開けた状態で片脚立ちを行い、15秒未満でふらついてしまう。
フレイル簡易チェックリスト
- 6ヵ月で2~3kgの体重減少はありましたか?
- 以前に比べて歩く速度が遅くなってきたと思いますか?
- 5分前のことが思いだせますか?
- (ここ2週間)訳もなく疲れたような感じがしますか?
- ウォーキングなどの運動を週に1回以上していますか?
フレイル予防プログラム
「何から始めたらいいのか分からない」「いろいろな持病があり運動することに不安がある」「トレーニング施設で病気のために断られてしまった」高齢になるとこのような事情で健康改善に踏み切れない方が多くいらっしゃいます。当クリニックでは医師の指導の元、フレイル予防を実施しています。患者さんの検査結果に基づいて、理学療法士によるリハビリテーション、管理栄養士による栄養相談、通所リハビリ(介護保険利用)ニューロフィットネス(メディカルトレーニング)などをご紹介いたします。
ふらつき・転倒外来

高齢者では「ふらつく」という訴えが多く聞かれます。また、ふらついた結果転倒した場合には、骨折や頭部外傷の原因となることもあり、寝たきりの原因となります。このふらつきは、脳神経疾患(脳血管疾患、パーキンソン病)、整形外科疾患(変形性関節症、骨粗鬆症)、心血管疾患、糖尿病、耳鼻咽喉科疾患(前庭の障害)、眼科疾患、精神疾患など多く疾患や薬剤、心理社会的要因などが複合して発症することがわかっています。
さらには、筋力や筋肉量の低下やバランス機能の低下を特徴とする、フレイル・サルコペニアも原因となることがわかってきました。まずは、ふらつきの原因となる疾患や薬剤を丁寧に評価します。当院では3テスラMRI診断装置があり、脳神経疾患や整形外科疾患については、微細な異常も含めて精密検査を行うことができます。
次に、原因に応じたリハビリテーションを行います。特に平衡機能のリハビリテーションであるバランス訓練を重視しています。できれば、転倒や骨折する前からリハビリテーションを開始できるよと良いですが、転倒や骨折はよいきっかけにもありますので、あきらめずリハビリテーションを受けていただけたらと思います。
更年期外来
当院老年内科では長年、物忘れ外来、ロコモ・フレイル外来に取り組んできました。その経験の中で、認知症の前段階はフレイルであり、フレイルの前段階はロコモであり、ロコモの前段階が腰痛、肩こり、膝痛であると実感しています。言い換えれば、40代、50代からの骨・関節・筋肉のメンテナスが、認知症予防につながると考えています。しかし、なぜ40代になると腰痛、肩こり、膝痛が出てくるのでしょうか。
40代というのはまさにからだの曲がり角。働き盛りにもかかわらず、からだには老化現象が始まる時期といえます。その時、からだの中で何が始まっているかを詳しくみていくと、実は、さまざまなホルモン値の低下が始まっているのです。成長ホルモンは思春期を過ぎたら低下がはじまります。次にちょうど40歳くらいから男性ホルモン、女性ホルモンの低下が始まります。そして、男性ホルモンや女性ホルモンの低下は、ロコモやフレイルのきっかけになるばかりでなく、生活習慣病にも悪影響を与えます。このホルモン値の低下は、男女差、個人差が大きいこともわかっています。
これらのホルモン値は血液検査で調べることができます。もし平均的な低下よりも早く低下が始まっているとなれば、運動療法や漢方薬などの薬物療法、ストレス緩和などで低下を遅らせる手立てをとりたいところ。ホルモン値の低下の原因であり、症状が重い場合には、ホルモン補充療法も考慮されます。
男性ホルモンが低下することで出現する症状=LOH症候群・男性更年期障害
- 性欲の低下がある
- 元気がなくなってきた
- 体力あるいは持続力の低下がある
- 身長が低くなってきた
- 「日々の楽しみ」が少なくなったと感じる
- もの悲しい、または怒りっぽい
- 勃起力が弱くなった
- 運動する能力が低下した
- 夕食後、うたた寝をすることがある
- 作業の能力が低下した
※1と7の症状があるか、3つ以上の症状があれば疑う.
※その他、関節症、筋肉痛、発汗やほてり、肥満、メタボリックシンドローム、頻尿、不安、パニック、不眠、集中力・記憶力の低下など.
女性ホルモンが低下することで出現する症状=更年期障害
➀精神神経系の症状
→頭痛、めまい、不眠、不安感、イライラ感、うつ
②血管運動神経系の症状
→ホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)、動悸・息切れ、寝汗・発汗、むくみ
③皮膚・分泌系の症状
→のどの渇き、ドライアイ
④消化器系の症状
→吐き気、下痢・便秘、胃もたれ・胸やけ
⑤運動器官係の症状
→肩こり、腰痛、背中の痛み、関節通、しびれ、手指の痛み・しびれ・変形
⑥泌尿器・生殖系の症状
→月経異常、尿失禁、性交痛
老年科外来
加齢と伴に出てくる諸症状は、全身の多岐に渡ります。ともすれば、さまざまな診療科にかかって、それぞれのお薬を出されて、効果のないお薬がいっぱいになってしまう場合もあります。一方で、高齢であっても治療可能な疾患もあります。必要な治療、必要でない治療の見極めが必要です。
老年科では、高齢者に起こるすべての健康問題についてご相談頂けます。また、高齢者の治療においては、訪問看護師やケアマネージャー、リハ職、介護職など多くの職種との連携が必要です。介護保険制度など社会制度についても豊富な知識が必要です。
歩行速度低下外来
歩行速度は、加齢とともに低下する傾向があります。青信号の間に横断歩道を渡りきる速度を1秒間に1メートルとすると、70代後半からこの速さで歩くのが難しくなることがわかっています。歩行速度が低下すると、日常生活動作(ADL;activitiesofdailyliving)の自立度が低下しやすくなることがわかっています。
通常歩行速度は、握力、片足立ち、最大歩行速度、通常歩行速度の4項目の中で、6年後の日常生活動作の自立度の低下を最もよく反映すると報告されています。歩行速度が低下すると、寿命が短くなることもわかってきました。34,485名の高齢者を対象とした調査において、6年から21年の追跡期間中に17,528人が死亡し、歩行速度は、男女すべての年齢層において生存率と相関がありました。
これらの研究結果を受けて、75歳以上の方の区健診(世田谷区では「長寿健診」)の問診票において、「以前と比べて、歩く速度が遅くなってきたと思いますか」という項目が作られました。
この質問に対して、ハイと答えた方は、ぜひ当院の歩行速度低下外来を受診してください。まず客観的に歩行速度が低下しているかを調べます。歩行速度低下の原因疾患は以下のようになります。どのような原因で歩行速度が低下したかを調べ、病状に応じてリハビリテーションや薬物療法を受けて頂きます。歩行速度の低下には個人差が大きいこともわかっており、リハビリテーションなどの介入により改善が見込まれる部分があります。高齢になっても、できるだけ社会に参加するために運動機能を維持していきましょう。
歩行速度低下をきたす疾患
脳神経疾患
- 神経変性疾患(パーキンソン病など)
- 脳血管疾患
- 神経免疫疾患
- 末梢神経疾患
- 脳腫瘍
- 慢性硬膜下血種
- 水頭症
骨関節疾患
- 脊椎症
- 骨粗鬆症
- 関節症
- 関節炎
- 足病
筋疾患
- サルコペニア
- 筋炎
- 筋ジストロフィー
内科疾患
- 心不全
- 呼吸不全
- 慢性腎臓病
- 糖尿病
- 甲状腺疾患