東京都世田谷区奥沢6丁目20-23 フォーラム自由が丘1F-A・2F-A 
東急電鉄「自由が丘」「九品仏」「奥沢」各駅より徒歩7分

TEL.03-3701-3351 FAX.03-3705-8100

在宅医療

在宅医療の対象

通院が困難な方と、病状が重く、入院ほどではないが外来では心配という方です。普段通院ができていても、急病になると体調不良のため病院に行くことが難しくなる方も、在宅医療を受けていると安心です。

在宅医療への思い

私たちは、在宅医療に二つの思いを込めています。

急病の際の在宅での治療の可能性を高めたい

ご高齢の方や認知症の方は、入院自体が環境変化となってしまい、疾患の治療は上手にいっても、精神状態の悪化や歩行能力が低下など入院の負の側面が大きく出てしまいます。ご自宅で治療を受ける方が効果的なのです。

進行性の疾患にかかり、病院へ通院することが困難となっても、ご自宅で専門医が診察することにより、できるだけ進行を遅らせ、快適に過ごしてもらえるようにしたい

在宅医療を利用される方の多くは、認知症、がん、神経難病の方です。当クリニックにはそれぞれの専門医がおりますので、ご自宅で安心して治療を受けていただけます。

在宅医療の目的は病気の治療だけではありません。転倒や寝たきり、褥瘡(床ずれ)の予防、肺炎や尿路感染症などの予防や早期治療、点滴を含めた栄養状態の管理など、予測されるリスクを回避し、入院が必要な状態を未然に防ぐことも重要な役割です。

また、老化の先には必ず死が訪れます。ご自宅での自然なお迎えを医療者として支えることも大切な役割です。

私たちは、患者様が住みなれた環境で安心して生活が続けられるように、介護事業者の方や医療機関とも連携し、協力しながら、療養生活を総合的にサポートしていきます。

当院の在宅医療でできること

認知症の専門医療

認知症の方は、一見歩いて通院することができるように見えても、通院を忘れる方や、通院を拒否する方がいます。また、たとえ病院に通院できたとしても、自分でしっかりお薬を忘れずに内服することが難しい方もいます。さらに、認知症の方は、自分で適切に自分の病状を説明することや適切な医療機関に受診することが難しくなります。生活の場において、計画的・統合的に、診療、看護、リハビリテーションを提供し、介護保険サービスと連携し、急病の時は主治医としてまず対応します。

がんの専門医療

日本人の死因の一位はがんであり、多くの人が経験する病気です。初期の場合は手術などで治ってしまう場合もありますが、手術をしても再発し、進行性の経過をたどる場合も多いのが現実です。近年、がんは手術、放射線、薬物療法と並行して、診断の時点から緩和ケアを受けることが効果的であることがわかっています。現在通院中の病院で、根治的な治療を受けながら、当クリニックで並行して緩和ケアをお受けになることをお勧めしています。

神経難病・脳卒中後遺症の専門医療

神経難病とは、パーキンソン病、多系統萎縮症、脊髄小脳変性症、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症などの病気です。珍しい病気のため、その診断、治療に精通した医師が担当した方がよいと考えます。薬物療法だけでなく、人工呼吸器や胃瘻を含めた医療処置に対応します。脳卒中後遺症の方については、糖尿病や高血圧の治療による脳卒中再発予防を図るとともに、嚥下評価や高次脳機能評価を含めたリハビリテーションについてもご自宅で対応できるよう体制を整備しております。

精神疾患の専門医療

精神疾患では、ご自身で受診した方が良いと判断できない場合もあり、ご家族も受診させるべきか判断に迷う場合があります。受診が困難な場合に、精神科医が往診にて診察し、その結果をもとに、受診や入院の方針を決定することができれば、助かるケースがあると考えます。また、慢性期の精神疾患のため通院が困難な方へも、社会とのつながりを促すような、リハビリテーションを含めた医療を提供していきたいと考えます。

急性期・回復期医療

ご自宅で可能な治療を受けることで、病院に入院しなくて済むように努力しています。肺炎・尿路感染症などの感染症、心不全や慢性閉塞性肺疾患の急性増悪、深部静脈血栓症、胸腰椎圧迫骨折、褥瘡、尿閉などの在宅医療に取り組んでいます。また、たとえ入院したとしても、ご自宅でリハビリテーションや継続治療が受けられるようにし、早期に退院できる体制を整えます。

終末期医療

慣れ親しんだ生活の場で最期を迎えたいという方に安心して療養していただけるよう、診療させていただくとともに、お看取りされるご家族や・介護者の不安にも、豊富な経験に基づき対応させていただきます。終末期の治療方針の決定など倫理的問題の意思決定支援を行います。

携帯型の医療機器について

当クリニックでは、携帯型のさまざまな医療機器を整備することで、ご自宅に居ながらにして検査や処置をうけることができ、詳細な病状の把握のもと治療を行うことができます。

携帯型レントゲン検査

主に呼吸器疾患や骨・関節疾患の診断に有用です。発熱時には肺炎の有無をチェックします。骨粗鬆症の疑いがある場合、骨密度を調べ治療方針を決定します。世田谷区の健康診断もご自宅で受けることができます。

携帯型超音波検査

主に心臓疾患、肝臓・胆嚢疾患、腎臓疾患の診断に有用です。排尿の問題がある時に、ご自宅で泌尿器科的検査や膀胱留置カテーテルの抜去が可能です。胸水や腹水の穿刺を安全に行うことができます。

携帯型心電図検査

心筋梗塞や不整脈を診断する機械です。急性心筋梗塞の所見がある場合、速やかに循環器専門病院に搬送します。普段との変化が大切なので、症状がなくても年1回程度チェックしておくとよいでしょう。

携帯型内視鏡検査

咽頭・喉頭を観察することで飲み込む力を評価(嚥下内視鏡検査VE)したり、胃瘻の交換の際にカテーテルの先が胃内にあるかの確認を行うことができます。小型のため、胃や大腸の観察はできず、必要な場合は紹介します。

携帯型眼科検査

白内障や緑内障の有無、角膜や網膜の疾患の有無を検査することができます。通院困難のため病院や診療所の眼科に受診できない方でも、検査の上での点眼薬の選択が可能です。詳細な視力検査や視野検査、手術が必要な場合は紹介します。

MRIの高度画像検査機器は連携先のふくろうクリニック自由が丘にて検査対応しております。その他、CT検査や専門医診察が必要な場合は、近隣の世田谷神経内科病院、東京明日佳病院、東急病院、奥沢病院などに依頼します。その場合でも患者様のご負担を最小限にするため、当クリニックの方から検査の予約をとり、結果は当クリニックで拝見しますので、病院へは検査の時のみ1回行くことができれば検査結果が得られます。

申込みから診療まで

1.ご相談・お問合せ

患者様・ご家族様のご相談に対応いたします。ケアマネージャーの方、医療機関の方、介護サービスに携わる方からのお問い合わせも承ります。当クリニックの訪問範囲は概ね当クリニックより4km以内と定めておりますが、幹線道路沿いであれば4kmを超える範囲も訪問しております。上記の訪問地域をご参照ください。在宅医療を受けた方が良いかのご相談もお受けしています。通院が可能な方は、まずは当クリニックの外来で対応させていただきます。まずはお気軽にご連絡ください。

2.在宅医療の説明・契約

初診前に当クリニックの看護師とソーシャルワーカーで在宅医療に関する説明を行い、ご契約をいただきます。ご家族などでご病状のわかる方に当クリニックにお越しいただくか、ご自宅にお伺いしますのでお選びください。ご契約にあたっては、健康保険証・介護保険証・医療券をご用意いただき、申込書にご記入いただきます。お支払は、口座振替をお願いしておりますので、金融機関の口座番号や銀行印をご用意ください。患者様のご病名・ご病状、お薬、ご要望のお話を伺い、担当医や初回訪問日の調整を行います。初回訪問日までに必要なものの確認も行います。

3.初回訪問

医師がご自宅へご訪問させていただき、診察させていただきます。今まで診察を受けていた医師からの診療情報提供書をご準備ください。患者様やご家族様のご要望などをお伺いし、今後の診療方針をご相談いたします。

4.定期的な訪問診療

診療計画に基づき、訪問診療を行います。最低月2回、予め計画した日時に医師が訪問し、診察やお薬の処方、必要に応じて検査や処置を行います。ご病状に応じて、訪問回数が増えることがあります。皮膚科医、眼科医の訪問も受けることができます。CT・MRI・内視鏡などの精密検査が必要な場合には、連携している医療機関に当クリニックから検査予約をとります。歯科医の訪問に関しては、連携している訪問歯科をご紹介します。

5.ご病状に変化があったとき

ご病状変化の際は、事前にお知らせしている緊急連絡先にご連絡ください。ご契約されている方に対しては、いつでも電話による相談、必要に応じて臨時往診や入院先の手配を行います。ご自宅で、レントゲンなどの検査、点滴や酸素投与などの治療を行います。医師に加えて、看護師、理学療法士、臨床心理士/公認心理師などが訪問します。

対応地域・費用

クリニックより概ね4kmの地域

世田谷区

目黒区

大田区

訪問診療でかかる費用

当クリニックの訪問診療は、健康保険が適用されます。
訪問診療をご利用する場合の費用負担の目安は下記の通りです。

訪問診療の費用(自己負担1割/月2回の訪問診療・処方箋の発行を受けた場合)

ご自宅の場合 約6,500円〜/月
老人ホーム(特定施設)
ご入居の場合
※施設の種類により異なります
約5,500円〜/月

※医師の訪問回数が増える場合、往診料が加算されます。
※必要に応じて施された検査・処置、臨時往診などを行う場合は、別途費用が加算されます。
※院外処方となりますので、薬剤費は別途必要になります。
※自己負担割合が3割負担の場合は、概ね上記金額の3倍になります。
※健康保険は自己負担額に上限があります。

訪問診療の契約に必要となる保険証など

その他、公費の対象となる受給者証などをお持ちの方はご用意ください。