疼痛緩和外来
腰痛、肩こり、下肢痛などの多くは、原因疾患のわからない筋肉痛であることが知られています。しかし、中には治療を必要とする疾患も隠れているわけで、まずは医療機関で精査をすることは大切です。また、筋肉痛であっても、生活習慣、姿勢、ストレスなど原因は多岐にわたり、その原因を特定して対処することが治癒への早道です。筋肉痛にもシップを含む薬物療法やポイントブロック注射を検討します。その上で、鍼灸やマッサージなどの東洋医学による治療をご検討されてはいかがでしょうか。
現在、本邦には2,300万人の慢性痛患者さんがいることが知られています。「痛み」は身体の異常を教えてくれる重要なサインです。しかし「痛み」が必要以上に続くと、「痛み」の感じ方の神経学的な変化から「痛み」がさらに強くなる「痛みの悪循環」が起こり、生活に支障をきたす場合もあります。
まず、からだにもともと備わっていた痛みの抑制機構が障害されることがわかってきました。また、神経が障害された場合には、痛みの刺激がなくとも、神経線維から勝手に痛みの信号が発せられてしまうことがわかってきました。つまり、痛みを治療するためには、痛いところにアプローチするだけでなく、脳や神経にアプローチする必要があるのです。
ペインクリニックなども普及はしてきましたが、現状ではまだ「痛み」で医療機関に受診しても、重篤な疾患(心筋梗塞や骨折など)が否定されると、「痛み」の治療は何科にかかればいいのかもわからないまま放置されがちです。また命には関わらない「原因のはっきりしない痛み」は患者さんからすれば何科を受診すればいいのかわからず、医療者側からしても敬遠されがちです。
まずは当クリニックの疼痛緩和外来を受診してみてはいかがでしょうか?最新のMRIを備え、整形外科、老年内科、精神科、リハビリテーション科など多岐にわたり対応可能な当クリニックでは、みなさんの「痛み」に対して真摯に耳を傾け、「痛み」に対して総合的に診断し痛みを緩和するための治療を行います。
疲労・睡眠外来
最近疲れやすくなった、疲れが取れないという方。疲労は、このままほったらかしにしておくと良くないことが起こりますよと、体が教えてくれる大切なサインです。
疲労はさまざまな病気の結果出てくることがあります。まずは疲労の原因を医学的に調べることをお勧めします。中には貧血や睡眠時無呼吸症候群など、治療により疲労が明らかに回復する病気が隠れている場合もあります。
疲労の程度に応じた休養が必要となります。最も身近な休養が睡眠なわけですが、なかには十分な睡眠がとれていないという方もいるでしょう。睡眠障害に対しては、CPAP、心理療法、運動療法など睡眠薬以外の治療の選択肢も提案します。
当院老年内科では長年、物忘れ外来に取り組んできました。その経験の中で、認知症の前段階はフレイルであり、フレイルの前段階はロコモであることがわかりました。そしてその前段階では、さまざまなホルモン値の低下が起きており、更年期障害として症状が現れている方もいるようです。
しかし、更年期障害は症状が出る方と出ない方がいます。ホルモンの低下だけでは、更年期障害は起きません。そこで注目されるのが、疲労であり、ストレスです。40代になると社会的にも、家庭の中でもストレスがかかることが増えてきます。うつ病などのストレス関連疾患も増えますが、何とか予防できないものかと調べてきました。
近年スポーツ医学の領域では、アスリートのパフォーマンスを高めるためのトレーニング方法に加えて、リカバリーやコンディショニングに関する知識が増えています。その結果、トレーニングによりストレスがかかった時に、疲労が軽い段階で適切な休養をとれば、パフォーマンスがより高まることがわかってきました。
もちろんストレスがかからないことがいちばん良いのですが、たとえストレスがかかっても上手に休養しさえすれば良いのです。上手に休養するにはどうすれば良いかは、人それぞれ状況が違いますので、あなたに合った休養法を一緒に考えていきましょう。40歳からのこころとからだのコンディショニング。これが将来の認知症予防に結びつくよう、今後も臨床実践を続けていきます。
疲労の原因となる疾患
- 臓器不全:肺気腫、肝硬変、心不全、慢性腎臓病
- 慢性感染症:ウイルス性肝炎、AIDS
- リウマチ・膠原病:関節リウマチ、SLE、筋炎、炎症性腸疾患
- 血液・内分泌・代謝疾患:貧血、下垂体機能疾患、副腎疾患、甲状腺疾患
- 脳神経疾患:多発性硬化症、神経変性疾患、頭部外傷後遺症
- 睡眠障害:睡眠時無呼吸症候群
- うつ病、不安障害
- 慢性疲労症候群/筋痛性脳脊髄炎
- 治療副作用:骨髄移植、がん化学療法、放射線治療
コロナ後遺症外来
私達は、往診やオンライン診療で多くの新型コロナウイルス感染症の患者さんの診療に携わってきました。中には発熱が治まり、隔離も解除されているにもかかわらず、さまざまな症状が残り、学校や仕事に復帰できないという方もいらっしゃいました。
WHO は「post COVID-19 condition」について以下のように定義しています。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)後の症状は、新型コロナウイルスに罹患した人に見られ、少なくとも2カ月以上持続し、また、他の疾患による症状として説明がつかないものである。通常はCOVID-19の発症から3カ月経った時点にも見られる。
症状には、倦怠感、息切れ、思考力や記憶への影響などがあり、日常生活に影響することもある。COVID-19 の急性期から回復した後に新たに出現する症状と、急性期から持続する症状がある。また、症状の程度は変動し、症状消失後に再度出現することもある。
「COVID-19診療の手引き別冊~罹患後症状のマネジメント」によると、咳や息切れといった呼吸器症状に加えて、倦怠感、筋肉痛、関節痛といった全身症状、記憶障害、集中力低下、不眠、頭痛、抑うつといった精神・神経症状があります。 外来に受診して頂いた場合には、血液検査、レントゲン検査に加えて、頭部MRI検査、心理検査、嗅覚検査を行います。
まずは丁寧な診断が大切であると考えています。新型コロナ後遺症に特異的な治療はまだ明らかになっていませんが、同様の症状を呈する疾患の治療を応用することができると考えられます。また、診療の手引きにおいてもリハビリテーションが勧められています。 新型コロナ後遺症でお困りの方のお力になれればと思いますので、ぜひご相談ください。


